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一斉更新!Class of 2022 日本人学生ブログ5:ジョン万次郎に学ぶ21世紀のグローバル人材像

ビジネススクールへの留学を開始して以来、「グローバル人材とは」について考える機会が増えています。

私は総合商社に勤めていたこともあり、海外案件や海外子会社の事業経営に携わることが多かったのですが、仕事というコンテクストを一旦離れ、学生に戻ったいま、「世界中の熱意あふれる優秀な人と切磋琢磨し、イノベーションを一緒に作り出したい!」というピュアな気持ちをどう具現化すべきか、改めてゼロベースから考えています。

そのヒントが、日本最初にして最高のグローバル人材である、ジョン万次郎の生涯にあるような気がしています。

ジョン万次郎こと中浜万次郎は、1827年に高知県土佐清水市という場所で、漁師の家系に生まれました。そして1841年、14歳だった万次郎は、仲間と漁に出ている最中に遭難し、数日間の漂流後、無人島の「鳥島」に漂着してしまいます。万次郎はそこで過酷な無人島生活を強いられます。渡り鳥でたまたま鳥島に飛んできたアホウドリを捕まえて生肉を食べ、雨水を飲んで水分補給をすることで生き延びたのです。そして漂流から143日後に奇跡が起き、万次郎は仲間と共にアメリカの捕鯨船に発見されます。

そして、万次郎の人柄と熱意を気に入った捕鯨船の船長は、彼をアメリカに連れて行くことを決め、万次郎は日本人として初めて、アメリカ本土へ足を踏み入れることになったのです。

アメリカ本土に渡った万次郎は、マサチューセッツ州フェアヘーブンで船長と暮らし、現地の学校で、英語、数学、航海術などを学び、首席で卒業します。卒業後は捕鯨船に乗り、数年間に渡る航海の旅に出た後、西海岸でゴールドラッシュに参加し、そこで手に入れた資金を持って日本に帰国します。

こうしてついに日本に帰国した万次郎の体験をまとめた「漂巽紀略」は、坂本龍馬や幕末志士の思想に大きな影響を与えたと言われます。また、彼は高知城下の藩校「教授館」の教授になり、後藤象二郎や、三菱財閥の初代総帥である岩崎弥太郎等を直接指導したとも言われています。

さらに、万次郎は、日米修好通商条約の批准書交換のために、アメリカへ行く使節団を乗せた「咸臨丸」に、通訳・技術指導員として乗り込むこととなりました。この軍艦・咸臨丸には、艦長の勝海舟や福沢諭吉など、歴史的に重要な人物が乗っていました。

こうしてジョン万次郎の人生を振り返って見ると、彼は純粋な好奇心と探究心を常に持ち続け、パッションに導かれるまま行動していることがわかります。その結果、同じ志を持った仲間が集まり、新しい機会が巡ってきて、彼はついに日本を導くグローバルリーダーになりました。鳥島に漂着した時点では、彼は日本語もおぼつかない14歳の漁師だったにもかかわらず、です。

彼が戦略的にキャリアを考えて動いた場面や、スキルセットを重要視した瞬間は一度もありませんでした。彼の生存本能が143日間の無人島生活に打ち勝つ原動力となり、彼の好奇心がフェアヘイブンへの道を切り拓き、彼の冒険心が数多の航海とゴールドラッシュへの旅を呼び込み、彼の人生そのものが日本全体の発展に寄与したのです。

昨今、指数関数的な技術発展により、産業革命以来の大きなパラダイムシフトが間近に迫っています。近い将来、労働の概念自体が変化することも予想され、そもそも10-15年後に我々が労働する必要があるのか、という議論すら現実味を帯びています。極度に技術が発展した社会では、スキルや職歴に裏付けられた仕事は消え去り、「志の実現」しか残らないと、私は考えます。

ならば、自分自身の内部から溢れ出てくるパッションに身を委ね、同じ志を持った仲間を探し、熱い思いを集めた松明で未来の道を照らしていくジョン万次郎のような人材こそが、21世紀に求められるグローバル人材像を体現する存在なのではないかと、私は強く思います。150年前の時点では、超例外的な事象として捉えられていた彼の生き様が、これからの未来のスタンダードになるような予感がしています。

そんな私は、改めてパッションに身を委ねることを意識し、ワクワクすることを考え続けた結果、自分の未来を煌々と照らす大きな松明をついに見つけることができました。これからどんな展開が待ち受けているかは誰にも分かりませんが、ジョン万次郎のようにピュアな好奇心を持ち続け、溢れ出る情熱を原動力に、楽しい仲間と一緒にイノベーションを常に追い求める、そんな人生を過ごしていこうと思います。

WhartonにおけるStock Pitch経験

Wharton1年目のTMです。私のバックグラウンドは総合商社で2年間財務部で資金調達や、為替・デリバティブ商品を含む金融商品のトレーディングをしたのち、5年間国内外の不動産投資、不動産運用会社への出資、投資先管理、撤退等を担当してきました。

Whartonでは、「自らをuncomfortableなスペースに追いやる」をテーマに経験してこなかったものに対して自分を追い込もうとしております。その一環で、117日の週にUniversity of Virginia Dardenに赴き、University of Virginia Investment Committee主催のStock Pitch Competitionに参加してましたので、その体験を記載させて頂きます。

 

そもそもどうやって出場したの?

プロセスとしては、Wharton内でのStock Pitchコンペにチームを組み(3人)、出場したのち、順位が高い順に、各大学で開催されるStock Pitchコンペの場所を選ぶことになっていました。私たちのチームは、ほかの2人の力もあり、(私はほぼ無力)13チーム中4-7位のポジションだったため、UVIC含む他大学のコンペの順位をつけ、無事希望通りのUVICのコンペに出場してきました。(ほかにはColumbia, Kellogg, Cornell等ありました)残りの二人のメンバーがVirginiaからの帰り道にDCに寄りたいという理由だけだったので、特段順位づけに深い意味はありませんでした。笑

 

そもそもコンペティションって?

Recruiting関連のClubに属すると、このようなCompetitionが定期的に開催され、Job Switcherがチャレンジしやすい(レジュメにも書ける)環境を提供してくれています。具体的には、WhartonではPE/VC ClubDistressed investment ClubReal Estate Club、そしてInvestment Management Clubが開催しています。

 

どんなメンバー?

今回は、前回のWharton内のStock Pitchと同じメンバーでした。具体的には、二人ともアメリカ人で一人はシアトルのIM、もう一人はニューヨークのPE出身というメンバー。Wharton内のピッチ締め切り数時間前に主催者側やってみたいという意思を伝え、ランダムに選んでもらったメンバーでのチーム編成でした。ランダムながらも素晴らしいメンバーでした。ただし、最後に行きつくまでには相当な苦労を伴い、胃が痛くなる日も結構頻発しました。。

 

苦労した点は?@Virginia Pitch

  • スケジュール調整が困難
  • 優先度のばらつき
  • 第二言語で人を説得することの難しさ

 

何を当たり前のことを、とおっしゃるかもしれませんがMBA学生にとって、スケジュール調整は果てしなく困難なパートです。個人的には、実際のコンペ前に何度かあつまりたかったのですが、インターン採用活動、授業の合間を縫って結局会えたのは2回でした(2週間で)。2点目でも挙げていますが、人によってこのCompetitionに対する優先度が全く異なるので、初回のミーティングでもMGMT610 (Wharton 1年生で最初に学ぶLeadershipやTeamworkの集中講義)で学んだ、Brain Stormingを各自で行ってから集合し議論するBrain Writingという理論を応用してみたかったのですが、かなわず。当日集まって、一斉にリサーチを始めるといった流れになってしまい、時間も労力も効率よくできなかったところは反省です。MBAという上下関係のない完全にフラットな組織において、プロジェクトを推進することの難しさを感じた次第です。

また、実際のコンペでは10分プレゼンののち、15分質問タイムという構成でした。自らがアサインされたところはプレゼン内で説明できても、後半の質問タイムでは質問の意図を組み、それに対して、自分のポジションを崩さないように返答するという点において全く貢献できず、自らの英語・理解力のなさに愕然とし、気持ちあらたに迎えた次第です。

 

結果

実際のプレゼンは、初戦敗退しFinalistにはなれませんでしたが、英語でプロに説明をする機会、アメリカ人とのチームワーク経験、投資に対する考え方、など学びも多く、非常に良い経験ができたので引き続き前向きに進んでいこうと思っています。

また、Virginiaの旅のなかで各個人の家族の話、信仰宗教や、キャリア感などを共有し、自分とは他業界の人の話をフリーに何の気負いもなく聞けるという、MBAならではの素晴らしい環境に改めて感謝した次第です。

COURRiER Japon「ウォートンに聞け! 」なぜ「起業」が“当然の選択肢”なのか?

2016年4月からCOURRiER Japonにて連載の「ウォートンに聞け!」最新記事は、Wharton内での起業に対する認識についての在校生レポートです。Whartonは、Financeで有名という印象がある方もいるかもしれませんが、記事内にもある通り、学生の起業に対する意識は非常に高く、リソースや機会にも多く恵まれています。現在2年生のWharton生が、実体験をもとに、Whartonで起業を志す学生の生活を紹介させていただきましたので、ぜひご一読ください!

【COURRiER Japon 連載】ウォートンに聞け!

なぜ「起業」が“当然の選択肢”なのか?

嶋原佳奈子 沖縄県生まれ。2009年京都大学総合人間学部卒業。同年、伊藤忠商事株式会社入社。情報通信部門にて出資先の事業開発に従事した後、2013年よりNPO法人クロスフィールズにて組織運営、および新興国NPO支援と日本企業の人材育成プログラム構築に携わる。2016年ウォートンスクール入学、2018年MBA取得予定。

PHOTO: THE WHARTON SCHOOL, COURRiER Japon

2015年、米大手ビジネス誌「ファスト・カンパニー」は、オンラインメガネ販売の「Warby Parker(ワービー・パーカー)」社を、世界で最もイノベーティブな企業に選出した。50位までのランキングで、グーグルやアップルを抑えてのトップだった。

同社は、ウォートン在籍中だったMBA学生4人が2010年に起業したスタートアップだが、現在の時価総額は12億ドル(約1370億円)に達すると言われている。

ファイナンススクールのイメージが強いウォートンだが、じつは、事業創造やイノベーションに力を入れている(ちなみに、テスラやスペースXの創業者である世界的な起業家、イーロン・マスクもウォートンの学部卒だ)。
今回は、ウォートンで起業プログラムを体験した日本人留学生のレポートをお届けする。

「Penn I-Corps」に応募したチームメンバーと(右から2番目が著者) Photo: Kanako Shimahara

 

「起業は一大決心し、リスクをとって進む道」という印象を以前は持っていた。だが、ウォートンの事情はかなり違う。

ワービー・パーカーの創業者が、夏休みには自分たちのスタートアップにコミットせず、企業でインターンをやりながら就職活動をしていたように、「起業」は当たり前に存在する1つの選択肢であって、他のオプションと比較検討されるものなのだ。

私自身も、総合商社から設立間もないソーシャル・ベンチャーに移った経験があり、ウォートンへの入学以前からスタートアップへの関心は強かった。

それでMBA留学の2年間は、リスクフリーに物事を試せる時期でもあって、友人たちと学校のリソースを最大限活用しながら、アイディアのビジネス化にチャレンジした。

ウォートンは、起業に関心を持ち、実際にアクションを起こす学生が多い。私と同じラーニングチーム(課題に一緒に取り組む班のようなもの)の6名のうち、私を含めて3名が起業に関心があった。

まず「挑戦」してみること

名門アイビー・リーグの一校で、米国最古のビジネススクールを自負するウォートンは、予想以上に授業の課題も多く、学業の負荷が大きい。起業に興味があっても時間がない……かと思っていたら、入学早々、とあるきっかけが訪れた。

学内で女性を中心としたスタートアップのピッチコンテストがあり、ラーニングチームのメンバーと一緒に挑戦したのだ(ちなみに、女性の学生が4割強を占めるウォートンでは、女性のエンパワーメント・イベントが活発に開かれている)。

出会って間もない仲間とアイディアをひねり出し、書類審査を突破して、100名超の来場者を前に数分間のピッチ(短いプレゼン)をおこなった。会社設立済みの強豪チームも参加するなか、残念ながら入賞にはいたらなかったが、ビジネスプランのピッチに対するハードルを下げることができて良かったと思う。

ピッチで提案したのは、メンバーみんなで考えた「Polar News」という名前のニュース・メルマガで、政治などのトピックについて立場が正反対の記事を対比させて、異なる視点を同時に提供するというものだ。

SNS時代の「エコーチェンバー現象(価値観の似た者同士だけで交流することで、特定の意見や思想が増幅されること。攻撃的な意見や誤った情報を広める一因にもなるとされる)」に問題意識を持って考えたサービスだった。

その後、メンバーの1人はこのときのアイディアを追求し続けて、いまでは10万人近い読者を集めるメールマガジンのサービスを運営している。

「起業プロセス」を学べる場

ウォートンには「Entrepreneurial Management」というコースがあり、
「Innovation」、「Entrepreneurship」、「Product Design」といった起業に関する授業を、経験豊富な教授陣が実践に近い形式で教えている。

たとえば、「Innovation」を担当するカール・アーリック教授は、複数の企業を創業し、24の特許を持ち、その著書は世界中の学生の教科書になっている有名人だ。彼の授業中にビジネスアイディアの着想を得て、起業した学生も多い。

私も、1年生の後半に「Innovation」を受講し、イノベーションの切り口について授業で学びながら、実際の具体的なアイディアをひたすら考えつづけた。そして、そのアイディアに対してのフィードバックを授業中にもらう、というプロセスを繰り返し、可能性の高いアイディアを絞り込んでいった。

ちなみに、ウォートンでは授業以外にも、賞金1500万円をかけた「Startup Challenge」や、「Y-prize」というペンシルベニア大学横断のビジネスコンテストなど、アイディアを競う機会が頻繁にある(ウォートンは、ペンシルベニア大に属するビジネススクールだ)。

Innovationのクラスでアイディアを絞ったら、次のステップは“仲間探し”だ。まず、スタートアップに興味のあった同級生を誘い入れ、それからさらに、学内のイノベーションセンターの「Penn I-Corps」に応募した。

「Penn I-Corps」のワークショップはとても実践的だ Photo: Kanako Shimahara

「思い込み」を捨てる

 

Penn I-Corpsとは、ペンシルベニア大学が持つ技術の商業化を目的としたインキュベーションプログラムで、選考に通ると、数ヵ月間の支援が受けられる。

ベンチャー投資家など経験豊富なアドバイザーから、アイディア具現化のプロセスについてフィードバックを受けられたり、30万円の資金がもらえたりするのだ。

無事にI-Corpsの選考に通ったのちは、重点的に“顧客探し”を始めた。というのも、アイディアや技術を考えているときは、ついつい無条件で「顧客がいるはずだ」と思い込んでしまうからだ。

その結果、「誰のどんなニーズを満たせるのか?」、「そもそもニーズがどれくらい存在しているのか?」、「ユーザーは本当にお金を払う用意があるのか?」、といった重要なポイントを見極めないまま、プロトタイプづくりに先走ってしまう人が多いという。

私たちのアイディアは、「小さな子どもが発達障害の可能性があるかどうか、オンライン上で臨床データに基づいて評価する」というもの。

まずは小さな子どもを持つ親や、小児科医、発達障害研究者など、約30人にインタビュー。そしてターゲットとなるユーザーやマネタイズの方法を具体的に検討し、ニーズを確認できてから、プログラミングができるウォートン生を仲間に引き入れて、プロトタイプづくりに着手した。

パーフェクトな「仲間」たち

現在もプロトタイプをブラッシュアップしている途中だが、やっぱり経験によって学べることは大きいと思う。特に、次の3つが大切だと知ったことは、貴重な学びだった。

1. どれくらい、自分たちが情熱を傾けられる事業なのか。

2. どうして、自分たちが他の誰よりも上手に、そのサービスを提供できるのか(これは投資家が特に重要視するポイントだ)。

3. どうやって、効果的に“仲間”を巻きこんで、多様性のある良いチームをつくりあげるか。

この3つは、起業のプロセスでたびたび問われることでもある。

「ウォートンの同級生はパーフェクトな存在だった。

だって、スタートアップでは“初めて遭遇する事態”に対処しなくてはならないことも多いけど、そんなときに似たような経験のある人が必ずいて、話を聞くことができる。もちろん、教授のヘルプだって得られる」

こう語るのは、私が1年生だったときの「Student Life fellow」として、相談役を務めてくれた2年生の先輩だ。彼女は、マッキンゼーのコンサルタントを経てウォートンに入学し、夏休みにはプライベート・エクイティ・ファンドでインターンをしつつ、最終的には起業の道を選んだ。

「これがダメでも、他にも道はある」というスタンスだったからこそ、彼女は納得のいく形で“リスクのある選択肢”を取れたのだろう。

彼女が立ち上げた「Harper Wilde」というブラジャーのオンライン販売サービスは、いまやライドシェア大手「Lyft」と共同プロモーションをおこなうまでになっている。

彼女の言うように、ウォートンには起業をサポートするリソースが充分にあると、私も思う。それをどう生かすかは、私たち次第なのだ。

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