在校生ブログ

リーダーシッププログラム:ニューヨーク消防署(Fire Department New York, FDNY)

2016.05.11 Category:課外: Leadership Ventures

Class of 2016のEGです。

今回は、Whartonのリーダーシッププログラムの1つである、FDNY Intensiveについてご紹介します。以前YOから投稿があったQuantico Military Simulationと同様、このプログラムも、非日常的な不慣れで肉体的にも辛い環境の中で判断力とチームワーク、そしてリーダーシップを学ぶものです。

その名の通り、このプログラムはニューヨーク消防署(Fire Department New York, FDNY)が提供するチームビルディングトレーニングに参加するものです。訪れたFDNYの訓練所はニューヨークシティの外れにあり、大きな敷地には多数のシミュレーション用建物が並んでいます。ここは、リーダーシップやチームワークの訓練を重要視する様々な団体が消防隊の訓練プログラムを通して学ぶための施設になっています。Whartonは数年前からこちらでプログラムに参加させていただいていますが、そのほか多くの企業のリーダーシップ研修などでも利用されているそうです。

訓練プログラムでは、実際に消防士のユニフォームを着て、酸素マスクをつけ、消火活動やサーチ活動などを行います。一日かけて6つのアクティビティを10人ほどのメンバーで体験し、アクティビティ毎にメンバーで反省点や学びを議論し合います。この体験と反省の繰り返しにより、メンバーの意識とチームワークが徐々に磨かれていきます。

実際のアクティビティの詳細をお伝えすることはできませんが(内容を聞いてしまうと実際体験する際の学びが減ってしまうため)、私が研修を通して学んだ3つのポイントをご紹介します。

  • 「思い込み」への気づき

私たちは普段、多くの判断を、深く考えたり誰かに相談したりすることなくしています。日常の判断の多くは、実はパターン化されているのです(例えば、空を見上げて暗い雲が多いと、私たちは半ば自動的に傘を用意します)。これは、日常生活ではとても効率的ですが、いつもと違うことが起こった際には大きな判断ミスの原因になってしまいます。特に、火事などの緊急事態では、こうした判断ミスが命取りになってしまいます。訓練中何度もそのような体験をし、(反省をした直後にまた犯してしまうこともあり、)私たちはいかに「深く考えない判断」に慣れてしまっているかを、身を以て体験しました。その罠にはまらないためには、思い込みに囚われず、フレキシブルに色んな可能性を想像する、また、一人で判断しようとせず、チームメンバーに相談するという二点の重要性を再確認しました。

  • コミュニケーションルールの設定

チームワークにおいてコミュニケーションは不可欠です。上記でも述べたように、各個人の思い込みで行動することを防ぐためにも重要です。しかし、時にはコミュニケーションそのものが非常に難しい状況があります。いくつかのアクティビティでは、暗闇や煙の中、酸素マスクをつけ、床を這っている状態を強いられ、ほとんど何も見えず、聞こえもしない状況になることがありました。そうした中、メンバーと意思疎通ができずに焦ったり、それぞれがバラバラに効率の悪い動き方をしてしまったこともありました。日常でも、例えば交渉相手との商談中など、チームメンバーと通常のコミュニケーションができない場面があります。メンバー間の意思疎通が重要となる場面では、事前にコミュニケーションルールを設定することで、チームの効率をあげることができることを学びました。

  • チーム内の適切な役割分担

アクティビティを重ねる毎に、チームメンバーの特徴を理解するようになり、適切な体制の組み方を工夫するようになりました。プログラム中は、アクティビティ間のディブリーフィング中に話し合って役割分担を変えたり、上記のようにコミュニケーションが取りづらい環境の中ジェスチャーで会話をし体制を入れ替えたり、または、数分しか時間がないなか瞬時に役割分担をしなければならなかったり、など、様々な形で最適なチーム体制をとることが求められ、互いを理解し、適切な役割分担を考える良いトレーニングになりました。

このように、不慣れな環境だからこそ、日常では気付かないような癖を発見することが出来たと感じます。更に、チームで行動・反省することにより深い学を得ることができました。

加えて、施設ではFDNYの方が指導につき、休憩時間等に彼らの実体験などを聞くこともできる貴重な体験でした。(こちらでは、FDNYは大変な尊敬を集めています。)こういった課外プログラムを通してビジネス外のリーダーシップに触れる機会はまさにWhartonならではです。

総じて、大変貴重な機会となり、誰にでも強くお勧めできるトレーニングでした。

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