Wharton MBA生のアメリカ就活

Class of 2017のSTです。今回はWharton生のアメリカにおいての就職活動についてお話ししたいと思います。多くの日本からの留学生の方々は、企業派遣、もしくは就職するならやはり日本に帰る、という方が多いかとは思いますが、少なからずともアメリカに残って仕事をしたいという方もいらっしゃると思いますので、そういった方にとって少しでもお役に立てればと思います。

このトピックのブログは過去にも色々ありますが、なぜか金融危機時代に集中していて書かれているものが多いので、近年の就職活動の雰囲気をシェア出来ればと思います。

ちなみに一番詳しく書かれているのはこちら。
http://www.kelloggalumni.jp/kellogg_life/2009/05/12.html
http://www.kelloggalumni.jp/kellogg_life/2009/05/2-2.html

基本的な内容は変わりませんが、近年好景気サイクルという事もあり、就職は比較的しやすいと思います。同じことを書いてもしょうがないので、上記リンクで既に記載されている事は省かせていただきます。

 

まず、MBAの米国内での就職活動は大きく分けて二つMature Recruiting CycleとEnterprise Recruiting Cycleにわかれます。本就職はまた時期が変わってくるのですが、今回はインターンシップに関してお話ししたいと思います。

Matureは一般的に比較的成熟した企業が学校に説明会に来て、学校のCareer officeを通して、決まった時期に就職活動をする方式。時期としては、以下がWhartonでのスケジュールです。(他校は多少ズレがあるとの認識です。)

10月中旬〜12月上旬 説明会
12月上旬〜下旬 アプリケーション提出
1月下旬~2月中旬 面接

一方で、Enterprise Recruitingは、スタートアップや、学校には来ないような企業に就職をするという就職活動の方式です。こちらは主にスタートアップが多いということもあり、決まったサイクルはないのですが、11月〜12月頃にかけてネットワーキングを始め、2月下旬から求人情報がキャリアサイトに上がり、4月中にインターンの結果が決まります。

この記事では特にMature Recruiting Cycleについて主にお話しいたします。

アメリカに来てせっかくだからシリコンバレーのスタートアップで働きたい、アメリカで起業したい という方も多いように感じますが、現実的に無理とは言わずとも、スタートアップやアメリカでの起業はビザに問題が生じることが多く、外国籍の学生の多くは、結果的にまずはビザをサポートしてくれる企業に就職をし、その後転職をするという方法をとります。

ちなみに、Whartonでは専攻を選ぶことができるのですが、StatisticsもしくはBusiness Analytics Majorを選ぶとSTEM(Science, Technology, Engineering, Mathematics) OPT Extensionとして最長3年まで延長ができるため、外国人の就職には有利となります。詳しくはこちら。http://www.us-lighthouse.com/life/visa/after-opt.html

業界は様々ですが、人気順で言うと以下の通りです。

同1位:Investment Banking or Consulting

  • 年によって順位が変わるのですが、何十年来ツートップなのは間違いないです。大体年間800人+のクラスのうち、半数はどちらかの業界を受けています。(各社数十人を1月下旬に一気に採用するので、早く終わり、内定もらえる確率も高いというのが魅力)
  • ビザのスポンサーも手堅くサポートしているので、外国籍留学生にとっては、入りやすい業界。

2位:Technology

  • Technology業界の成長や、Amazonなどが近年大量に採用しているということもあり、人気は高いです。ただ、テクノロジー業界はエンジニア優遇で、MBAは二の次という扱いになる場合も多く、面白いポジションが少ないというのがネックな場合があります。実際インターンしてみてから、自分のやりたい仕事ではなかったというケースも多々あります。
  • 大企業であれば、ビジネス系列社員のビザも申請をサポートするが、エンジニア以外はサポートしないというスタンスの会社も多い。

———————-外国人が不利になり易いライン——————

この3業界以外は大量採用をしない会社が多いということもあり、外国人が不利になり易いです。あからさまにアメリカでの就労ビザがないと応募ができない、というのが求人ページに既に記載されていたりもします。

3位: PE

  • 人気なのは間違いないのですが、PE出身者がPEに戻るパターンが多いです。金融の経験があるから、業界チェンジでPEに入ろう、というのは実はかなり険しい道のりになるかと

 

Whartonが発表しているインターンシップ就職先の統計はこちら。98%の人が就職しているので、真面目に就活していれば何とかなる、というのが近年の状況です。https://statistics.mbacareers.wharton.upenn.edu/internships/industry-choices/

 

ここからMyth Buster 形式によく考えられがちなMBAの就職活動に関して、一つ一つ否定していこうと思います。

Myth #1: 沢山の企業が学校に来るんだから、説明会で色々見るチャンス。

Myth Buster #1: そんな余裕ありません。10月中旬から5週間に 百社以上学校に来るので、同じ時間に5-10社ほど説明会が行われます。この時点ですでにどの会社の説明会に出るかを絞っておかないと、唯一説明会でネットワークを作るチャンスを失う、ということもあります。(会社によっては面接に呼ばない場合も)

ちなみに今年の説明会のスケジュールはこんな感じ。日々取捨選択です。

Myth #2: 日本でトップ企業(金融、コンサル、商社など)に勤めていたのだから、アメリカでも職歴勝負でなんとかなる。

Myth Buster #2: あなたのアメリカ人同級生も同じです。しかもアメリカは転職が当たり前の社会。なので、投資銀行やコンサルでキャリアをスタートさせた人でも、キャリアアップのために一度は転職している人が過半数。しかも彼らは、アメリカ独特のアグレッシプかつスマートなコミュニケーション能力と、学部生時代のコネで、色々な企業に昔の同級生がいるので、ネットワーク構築にも有利。

一度説明会などに出てみると分かりますが、採用担当者を捕まえ、ハイエナの如く輪になって囲い、テンポよく順番に鋭い質問を投げかけてる姿を見ていると、流石としか言いようがありません。しかもちゃっかりしている人たちは、その場で長々と続けず、「この仕事内容に興味があるのだけれど、それに精通している人を紹介してくれませんか?」などとうまく次に繋げてきます。最初は私もよく「アメリカ人アグレッシブで怖い。」と思ったものです。

Myth #3: 業界を絞らずとも、色々な業界に応募すればいい。

Myth Buster #3: これも難しいです。無理とは言いませんが、特にコンサルや投資銀行などは、説明会に出ればいいというものでもなく、コーヒーチャット、カクテルセッション、会社とのディナー、そしてNYオフィス訪問等、体力的に相当厳しい長期戦です。Techが一番そういった時間を費やすイベントが少ないので、Techとコンサルもしくは投資銀行などで応募する人はいますが、それぞれの業界、かなりFace Time(イベントなどの出席)を求められるので、Tech兼その他業界でない限り難しいです。たまにPE出身の人がPEとIM(投資信託やヘッジファンドなど)を同時進行させていますが、その業界出身でないと 難しいと思われます。

どの程度の準備が求められるかというと

投資銀行: イベントの参加は絶対。不参加だとその場で落とされる。そして5週間連続、ほぼ毎週NYオフィスでイベントが行われるので、そのイベントに参加する。(フィラデルフィアはNYに近いので、参加が求められるが、学校の地域によって差が出る。)そのイベントの合間を縫って、企業の人にアポ入れ、コーヒーチャットを2-3人と行う。そこで気に入ってもらえた人が面接に呼ばれる。面接準備はVault Guide(面接赤本のようなもの)を参考。

コンサル: 参加は絶対ではないが、毎週各社2−3イベントあり、さらにコーヒーチャットを2−3人と行う。それ以外にも自分が特に気になっているオフィスなどがあれば、そのオフィスの人をリクルーターに紹介してもらい、そのオフィスの人と電話。多くの人はThanksgiving Breakを利用して、自分の第一希望のオフィスに出向く(大体現地オフィスでもそのタイミングでイベントが行われる)。気に入ってもらえた人が面接に呼ばれる。(とは言っても各社150人くらい面接に呼んでいるので、投資銀行ほど厳しくはない。)

さらに本面接がケース面接になるので、普通の面接練習に追加で、一対一のケース面接練習を11月頃から合計30時間ほど行う。単に応募すればいいというものではなく、面接に呼ばれるまでに相当時間を費やす必要があり、意外にMBAの外には知られてない情報です。

他はあまり詳しくはないのですが、Techが割と楽と言われる理由は、そこまでFace Timeが必要ないのと、イベント数も少なく、時間を費やさずとも面接には呼んでもらえる確率が高いからかと。

外国人は就職が難しいと言われるアメリカですが、毎年本国で大学を卒業し、英語も完璧ではなく、就労ビザもない外国人留学生が多々アメリカで就職しているのですから、ちゃんと戦略を立ててチャレンジをすれば、そんなに難しくないのでは、と思います。アメリカで就職するかどうかは別に、アメリカでの就職活動の豆知識として参考になれば幸いです。

ST