COURRiER Japon「ウォートンに聞け!」MBA/国際関係学、2つの修士号を目指して奮闘中!在校生が語るウォートン留学記

4月からCOURRiER Japonにて連載の「ウォートンに聞け!」にて、ローダーインスティテュート(2年間で経営学と国際関係学の2つの修士号を取得できるプログラム)、入学後のリーダーシップ経験やインターン、そして今後の目標についての記事を在校生が寄稿させて頂きました!受験生の皆様にもぜひご覧頂きたい内容となっておりますので、ご案内をさせて頂きます。

【COURRiER Japon 連載】ウォートンに聞け!

「MBA」「国際関係学」2つの修士号を目指して奮闘中!在校生が語るウォートン留学記

今西瑞穂 1987年東京都生まれ。2010年上智大学経済学部卒業。同年、双日株式会社に入社。5年間、エネルギー部にてブラジルのバイオエタノール事業の管理や、米州の液化天然ガスLNGのアジア向け輸出プロジェクトを担当。2015年、 ウォートンスクールならびにローダーインスティテュート入学。2017年、修士号(経営学、国際関係学)を取得予定。

ask_whartonitesPHOTO: THE WHARTON SCHOOL, COURRiER Japon

現役ウォートン生の今西瑞穂さんは、アルゼンチンへの高校留学で中南米に魅了され、大学卒業後は総合商社へ。いまはウォートンとローダーインスティテュートで「2つの修士号」を取得するために奮闘中だ。そのキャンパスライフ最前線をお届けしよう。

中南米の発展に貢献したい──そう考えるようになったのは、高校2年生のときアルゼンチンに留学したことがきっかけでした。

テレビ番組でしか知らなかった中南米文化をもっと知りたい、そしてスペイン語を話せるようになりたい、と好奇心のままに東京を飛び出して、ブエノスアイレスからバスで12時間の片田舎へ。家庭電話も洗濯機もない家庭にホームステイをしながら、1年間現地の高校に通いました。東京育ちの私にとって不自由な生活はもちろん、英語すらも通じない環境で苦労も数多く経験しました。それでも、いつでも陽気なラテンアメリカ人の気質、そして、人材も天然資源も豊富で成長可能性を大きく秘めた中南米の地に魅了されていったのです。

技術力・財務力がありながら、エネルギーや食糧自給率の確保に苦労する日本と、天然資源・人材資源は豊富ながら、それらの有効な利用方法を持たない中南米。留学以降、そのような国々を繋ぐことで世界全体をより豊かにしたい、そのような仕事に携わりたい、と考えるようになりました。

さらに、大学在学中にメキシコに1年間留学したことでその想いを強め、卒業後は総合商社に入社。エネルギー部に配属となり、5年間ブラジルのバイオエタノール事業の管理や米州の液化天然ガスLNGのアジア向け輸出に携わりました。ただし、ここでは英語を使うことはあったものの、スペイン語を使う機会はほとんどありませんでした。チームで新たなプロジェクトに取り組むなか、複雑な巨額エネルギー開発にはより深い財務知識が必要であると実感し、ビジネススクールへの進学を決意したのです。

2つの修士号を取るために

ビジネススクールを(1)ファイナンス、そして(2)スペイン語を学べる環境という軸で探し、辿り着いたのがウォートンのローダーインスティテュート(以下ローダー)でした。

2年間で経営学と国際関係学の2つの修士号を取得できるこのプログラムは、英語に加えて専攻する地域の言語をビジネスレベルで話せることを出願要件としています。合格すると通常のウォートン生よりも早い5月に入学し、3ヵ月間国際関係学を勉強した後、8月からほかの学生とともに経営学の授業を受けることになります。ローダーに在籍する学生は2年間、専攻言語と国際関係学、国際経済史などの授業が必修です。勉強量を想像して不安に駆られることもありましたが、それよりもプログラムを通じて得られるだろう知識や経験に胸をふくらませ、私は2015年5月にローダーに入学しました。

専攻はラテンアメリカ(スペイン語)です。入学後にはさっそく2ヵ月間、ペルー、コロンビア、メキシコでスペイン語の上達に努めるとともに、現地の企業訪問や、各国が直面する社会問題・経済政治問題に関する専門家の講義などに参加しました。8月にウォートンの授業がはじまってからも、週2回のスペイン語の授業を通じて中南米の政治経済、さらには差別や暴力といった社会問題について学びを深めています。

またローダーでは、専攻する地域以外についても、世界中から集まったクラスメートの豊かな国際経験や各地域の最新情報について学ぶことができます。というのも、ローダーは1学年が約70人と少人数のプログラムでありながら、ほとんどの学生が専攻地域での留学経験、職務経験を持っています。そのため、彼らから直接聞く各地域の習慣や情勢を学ぶことで、バランスのとれたグローバルな視点を培うことができます。

「芸は身を助く」を実感

実は優秀な同級生に囲まれ、自信をなくすこともありました。日本教育で育った私にとっては、ビジネススクールのディスカッション形式の授業についていくのも精一杯。私が彼らに影響を与えたり、リーダーシップを発揮したりする機会などないだろうと思っていました。ところが意外にも、ウォートンはさまざまな形でリーダーシップを磨く場を提供してくれます。私の場合はダンスでした。ここでは“stretch your experience”という言葉がとても好まれていて、未知の領域に挑戦することを推奨する文化があります。

その1つとして、毎年3月には1000人近くの観客を前に在校生がダンスを披露する発表会があります。参加者は毎年300人を超え、学生のなかからオーディションで選ばれた約20人の振付師の指導のもと、年明けから3ヵ月の練習を経て発表会を迎えます。2016年3月でのこの舞台で、私は40人の学生の振付・指導を担当することに。私は日本での学生時代にストリートダンスサークルに所属しており、毎日何時間も体育館で練習をしたり、学校外のレッスンに通ったり、全国各地の大会に出場したりするほどダンスに熱を入れていました。社会人になってからも続けていましたが、まさかファイナンスのトップ校であるウォートンでこの特技を活かす機会が訪れるとは思いもしませんでした。

しかし、大人数の振付を何度も経験してきたとはいえ、40人のダンス未経験者を英語で指導して、1つの作品を作り上げることは、決して簡単ではありません。加えて勉強、就職活動、課外活動と毎日たくさんのイベントがあり取捨選択に悩まされる彼らを、週1回、1時間のレッスンでまとめ上げるというのは大きなチャレンジでした。ですが、そこで活きたのは“日本人らしさ”です。毎回、練習の1時間を有効に使うべく入念に準備し、振付ビデオを配布して自主練習を促し、立ち位置表をパワーポイントにきれいに落とし込んで配布するなど、日本人ならではの几帳面さを活かし、本番では大成功を収めることができました。このように、勉強以外でもこれまでの経験や個人の強みを活かせる場が、ビジネススクールにはたくさんあるといえます。

卒業まであと7ヵ月

ウォートンでは、1年生と2年生の間の夏休みにはほとんどの学生がインターンシップをします。私は2016年の夏休みに三井住友銀行のニューヨーク支店にて、ラテンアメリカ・プロジェクトファイナンスグループで10週間インターンをしました。メンバーの大多数は中南米出身で、彼らとの会話は基本的にスペイン語。一方で日本人駐在員とは日本語で話し、それ以外は資料作成を含めて英語というグローバルな環境です。そんななかで、中南米での発電所や高速道路といった地域経済の発展に貢献するさまざまなプロジェクトへのファイナンス案件に携わることができ、大変有意義な経験となりました。

卒業まで残すところ7ヵ月となりましたが、ウォートンではまだまだ新しいことに挑戦していきたいと考えています。その一つして、この年末年始にはニュージーランドでおこなわれる「リーダーシップ・ベンチャー」に参加する予定です。これは人気のリーダーシッププログラムで、冬休みや春休みといった長期休暇中に約1週間、過酷な環境のもと、少人数のチームで協力しながらアクティビティをおこなうものです。自己理解を深めるとともに、チームリーダーを毎日順番で担当することで、リーダーシップとチームワークを集中的に強化することが目的です。私は登山、自転車、カヤックで構成されるプログラムに参加する予定で、それに向けて最近トレーニングをはじめました。

ビジネススクールでの2年間の過ごしかたは本当に人それぞれで、個人の興味や需要に応えるだけの豊富なリソースを提供してくれるのがウォートンだと思います。学問のみならず、この多種多様な学びの場を最大限に活用して、今後のキャリアに活かしていきたいと考えています。

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