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Early Pre-term

Class of 2018のMSです。今回は、毎年Pre-termの前に行われる、Early Pre-termというインターナショナル生向けの講座をご紹介します。

 

今年は7月25-29日の一週間でした。メンバーは(人数の多い順に)中国・日本・インドネシア・ロシアの計12名。

午前中だけの講義で、何かを勉強するというよりは、Whartonライフにおける実践的なtipsを教えてもらえる場で、Q1を終えた今思い返しても大変役に立つプログラムでした。

例えば、初日は論文の効率的な読み方を学びました。初めから最後まで淡々と読むのではなく、まず時間を決めて、要約を読む・章の最初だけ読む・結論部分だけ読む・とりあえず出来るだけ早く目を走らせるetc、文章の重要度に応じた読み方を練習。Reading Assignmentが死ぬ程多い授業もあることから(真面目に全部読んだら徹夜するはめになる)、ここで学べたことで実際の授業準備がぐっとラクになりました。

また、Case study対策も大変勉強になりました。私含め殆どのインターナショナル生はCase studyの経験がありませんので、そもそも授業についていけるかという不安が大きかったのですが、実際に模擬ケース(ちゃんと宿題が出ます)をやってみて、その不安もかなり緩和されました。Caseはいくら準備しても100%自信がある状態にはならないし、そういう風につくってあるのだ、ということを学べました。

自分では普通にやっていることでも、周りから評価されることがあるのだとも分かりました。グループでケースの準備をした際、私は自分のパートを、かなりざっくりと、要点だけまとめて誰にでも分かるように話したのですが、それが非常に好評で、あ、これでいいんだ、と気付くことが出来ました。

他のトピックは、雑談で避けるべき話題(religion, sexual orientation, politics – とはいえWharton生はかなり活発に政治の話をしますが)、文章の書き方(出来るだけ簡潔に、ロジカルに)、教授とのコミュニケーションの仕方(指されなくても手を挙げ続ける、授業後に質問にいく、教授のyoutube動画を探して英語に慣れる)等々。

教わるだけではなく、生徒側に考えさせて意見を共有するトピックも多くありました。learning team内で衝突があったらどう解決する?どうやってconstructive feedbackする?アメリカの文化で分からないことがあったらどうする?等。幸い私のlearning team内では(まだ)喧嘩は起きていませんが、アメリカ文化については、cultural buddyをつくろうという妙案が出て、私はその通りlearning teamの1人にcultural buddyになってもらい、授業で出て来たけれど知らなかった企業(例:小売大手Target)、著名人(例:コメディアンのJerry Seinfeld)、単語(例:tokenism)などについて授業後に教えてもらうようにしています。

あと、驚いたのは、講師が「ずっと図書館にこもって勉強するのは絶対にやめてください。病気になります。しかも、人と交流しないと、せっかくのWhartonでの実りが減ってしまいます。勉強の時間を自分で決めて、その中で課題をやりきることが必要です。」と明言したこと。勉強も課外活動(人との交流とかパーティーとか)もしっかりね!というメッセージに、目からウロコでした。やみくもに長時間やればいいってものではない。根性論みたいのが一切なくて、すごくいいなと思いました。

日本だと、周りの目を気にして小さくまとまっていたことがあったのですが(それでも伸び伸びやっていた方だと思いますが)、アメリカだと更に自由にやっていいんだなということが分かり、大きな収穫でした。

 

Early Pre-termだけに限らず、Whartonは大規模校ながら生徒へのサポート体制が非常に手厚いと感じています。

ハード面はUPennのリソースが使い放題ですのでその潤沢さは言わずもがな(例えば無料のwriting添削サービスもあります)、ソフト面でもMBAオフィスの本気度を感じています。例えばPre-term前のインターナショナル生向けのパーティーでは、MBAオフィスの学生担当(結構偉い人)が、自分の携帯番号を全員に公開し、「いつでも電話して!」と言っており、生徒もどよめいていました。彼が言っていた、

“Please never wake up in the morning feeling you are alone”という言葉も心に残っています。繰り返し言われていた、“We want you to be successful at Wharton”というメッセージの通り、学校全体で生徒をサポートしていこうという熱意を感じます。

今後もWhartonのリソースをフル活用しつつ、充実した二年間を過ごしたいと思っております。

COURRiER Japon「ウォートンに聞け!」MBA/国際関係学、2つの修士号を目指して奮闘中!在校生が語るウォートン留学記

4月からCOURRiER Japonにて連載の「ウォートンに聞け!」にて、ローダーインスティテュート(2年間で経営学と国際関係学の2つの修士号を取得できるプログラム)、入学後のリーダーシップ経験やインターン、そして今後の目標についての記事を在校生が寄稿させて頂きました!受験生の皆様にもぜひご覧頂きたい内容となっておりますので、ご案内をさせて頂きます。

【COURRiER Japon 連載】ウォートンに聞け!

「MBA」「国際関係学」2つの修士号を目指して奮闘中!在校生が語るウォートン留学記

今西瑞穂 1987年東京都生まれ。2010年上智大学経済学部卒業。同年、双日株式会社に入社。5年間、エネルギー部にてブラジルのバイオエタノール事業の管理や、米州の液化天然ガスLNGのアジア向け輸出プロジェクトを担当。2015年、 ウォートンスクールならびにローダーインスティテュート入学。2017年、修士号(経営学、国際関係学)を取得予定。

ask_whartonitesPHOTO: THE WHARTON SCHOOL, COURRiER Japon

現役ウォートン生の今西瑞穂さんは、アルゼンチンへの高校留学で中南米に魅了され、大学卒業後は総合商社へ。いまはウォートンとローダーインスティテュートで「2つの修士号」を取得するために奮闘中だ。そのキャンパスライフ最前線をお届けしよう。

中南米の発展に貢献したい──そう考えるようになったのは、高校2年生のときアルゼンチンに留学したことがきっかけでした。

テレビ番組でしか知らなかった中南米文化をもっと知りたい、そしてスペイン語を話せるようになりたい、と好奇心のままに東京を飛び出して、ブエノスアイレスからバスで12時間の片田舎へ。家庭電話も洗濯機もない家庭にホームステイをしながら、1年間現地の高校に通いました。東京育ちの私にとって不自由な生活はもちろん、英語すらも通じない環境で苦労も数多く経験しました。それでも、いつでも陽気なラテンアメリカ人の気質、そして、人材も天然資源も豊富で成長可能性を大きく秘めた中南米の地に魅了されていったのです。

技術力・財務力がありながら、エネルギーや食糧自給率の確保に苦労する日本と、天然資源・人材資源は豊富ながら、それらの有効な利用方法を持たない中南米。留学以降、そのような国々を繋ぐことで世界全体をより豊かにしたい、そのような仕事に携わりたい、と考えるようになりました。

さらに、大学在学中にメキシコに1年間留学したことでその想いを強め、卒業後は総合商社に入社。エネルギー部に配属となり、5年間ブラジルのバイオエタノール事業の管理や米州の液化天然ガスLNGのアジア向け輸出に携わりました。ただし、ここでは英語を使うことはあったものの、スペイン語を使う機会はほとんどありませんでした。チームで新たなプロジェクトに取り組むなか、複雑な巨額エネルギー開発にはより深い財務知識が必要であると実感し、ビジネススクールへの進学を決意したのです。

2つの修士号を取るために

ビジネススクールを(1)ファイナンス、そして(2)スペイン語を学べる環境という軸で探し、辿り着いたのがウォートンのローダーインスティテュート(以下ローダー)でした。

2年間で経営学と国際関係学の2つの修士号を取得できるこのプログラムは、英語に加えて専攻する地域の言語をビジネスレベルで話せることを出願要件としています。合格すると通常のウォートン生よりも早い5月に入学し、3ヵ月間国際関係学を勉強した後、8月からほかの学生とともに経営学の授業を受けることになります。ローダーに在籍する学生は2年間、専攻言語と国際関係学、国際経済史などの授業が必修です。勉強量を想像して不安に駆られることもありましたが、それよりもプログラムを通じて得られるだろう知識や経験に胸をふくらませ、私は2015年5月にローダーに入学しました。

専攻はラテンアメリカ(スペイン語)です。入学後にはさっそく2ヵ月間、ペルー、コロンビア、メキシコでスペイン語の上達に努めるとともに、現地の企業訪問や、各国が直面する社会問題・経済政治問題に関する専門家の講義などに参加しました。8月にウォートンの授業がはじまってからも、週2回のスペイン語の授業を通じて中南米の政治経済、さらには差別や暴力といった社会問題について学びを深めています。

またローダーでは、専攻する地域以外についても、世界中から集まったクラスメートの豊かな国際経験や各地域の最新情報について学ぶことができます。というのも、ローダーは1学年が約70人と少人数のプログラムでありながら、ほとんどの学生が専攻地域での留学経験、職務経験を持っています。そのため、彼らから直接聞く各地域の習慣や情勢を学ぶことで、バランスのとれたグローバルな視点を培うことができます。

「芸は身を助く」を実感

実は優秀な同級生に囲まれ、自信をなくすこともありました。日本教育で育った私にとっては、ビジネススクールのディスカッション形式の授業についていくのも精一杯。私が彼らに影響を与えたり、リーダーシップを発揮したりする機会などないだろうと思っていました。ところが意外にも、ウォートンはさまざまな形でリーダーシップを磨く場を提供してくれます。私の場合はダンスでした。ここでは“stretch your experience”という言葉がとても好まれていて、未知の領域に挑戦することを推奨する文化があります。

その1つとして、毎年3月には1000人近くの観客を前に在校生がダンスを披露する発表会があります。参加者は毎年300人を超え、学生のなかからオーディションで選ばれた約20人の振付師の指導のもと、年明けから3ヵ月の練習を経て発表会を迎えます。2016年3月でのこの舞台で、私は40人の学生の振付・指導を担当することに。私は日本での学生時代にストリートダンスサークルに所属しており、毎日何時間も体育館で練習をしたり、学校外のレッスンに通ったり、全国各地の大会に出場したりするほどダンスに熱を入れていました。社会人になってからも続けていましたが、まさかファイナンスのトップ校であるウォートンでこの特技を活かす機会が訪れるとは思いもしませんでした。

しかし、大人数の振付を何度も経験してきたとはいえ、40人のダンス未経験者を英語で指導して、1つの作品を作り上げることは、決して簡単ではありません。加えて勉強、就職活動、課外活動と毎日たくさんのイベントがあり取捨選択に悩まされる彼らを、週1回、1時間のレッスンでまとめ上げるというのは大きなチャレンジでした。ですが、そこで活きたのは“日本人らしさ”です。毎回、練習の1時間を有効に使うべく入念に準備し、振付ビデオを配布して自主練習を促し、立ち位置表をパワーポイントにきれいに落とし込んで配布するなど、日本人ならではの几帳面さを活かし、本番では大成功を収めることができました。このように、勉強以外でもこれまでの経験や個人の強みを活かせる場が、ビジネススクールにはたくさんあるといえます。

卒業まであと7ヵ月

ウォートンでは、1年生と2年生の間の夏休みにはほとんどの学生がインターンシップをします。私は2016年の夏休みに三井住友銀行のニューヨーク支店にて、ラテンアメリカ・プロジェクトファイナンスグループで10週間インターンをしました。メンバーの大多数は中南米出身で、彼らとの会話は基本的にスペイン語。一方で日本人駐在員とは日本語で話し、それ以外は資料作成を含めて英語というグローバルな環境です。そんななかで、中南米での発電所や高速道路といった地域経済の発展に貢献するさまざまなプロジェクトへのファイナンス案件に携わることができ、大変有意義な経験となりました。

卒業まで残すところ7ヵ月となりましたが、ウォートンではまだまだ新しいことに挑戦していきたいと考えています。その一つして、この年末年始にはニュージーランドでおこなわれる「リーダーシップ・ベンチャー」に参加する予定です。これは人気のリーダーシッププログラムで、冬休みや春休みといった長期休暇中に約1週間、過酷な環境のもと、少人数のチームで協力しながらアクティビティをおこなうものです。自己理解を深めるとともに、チームリーダーを毎日順番で担当することで、リーダーシップとチームワークを集中的に強化することが目的です。私は登山、自転車、カヤックで構成されるプログラムに参加する予定で、それに向けて最近トレーニングをはじめました。

ビジネススクールでの2年間の過ごしかたは本当に人それぞれで、個人の興味や需要に応えるだけの豊富なリソースを提供してくれるのがウォートンだと思います。学問のみならず、この多種多様な学びの場を最大限に活用して、今後のキャリアに活かしていきたいと考えています。

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COURRiER Japon の連載記事につきましては、新着がございましたら「関連記事 / リンク」のページに随時更新をさせて頂きます。過去の特集記事についても一覧がございますので、あわせてご参考頂けますと幸いです。

COURRiER Japon「ウォートンに聞け!」“純ドメ”から一念発起してMBAへ─現役在校生が語るウォートン留学記

4月からCOURRiER Japonにて連載の「ウォートンに聞け!」最新記事にて、在校生がWharton MBA合格までの道のり、入学して気付いたこと、今後の目標について熱く語らせて頂きました!受験生の皆様にもぜひご覧頂きたい記事となっておりますので、ご案内をさせて頂きます。

【COURRiER Japon 連載】ウォートンに聞け!

“純ドメ”から一念発起してMBAへ─現役在校生が語るウォートン留学記

山田聡 1986年北海道生まれ。2008年東京大学農学部卒業。同年、三菱商事株式会社に入社。自動車事業本部にて、ロシア・カザフスタン・キルギス・ウクライナ向け自動車輸出・販売事業、投資案件や新規事業立ち上げを担当。2015年、 ウォートンスクール入学。2017年MBA取得予定。

ask_whartonitesPHOTO: THE WHARTON SCHOOL, COURRiER Japon

現役ウォートン生である山田聡さんは、三菱商事からの社内選抜で2015年に入学。自身はいわゆる“純ドメ”という彼が、合格までの道のり、入学して気付いたこと、今後の目標について語ってくれた。

私は三菱商事に新卒で入社しました。その後7年間、自動車事業本部で海外における日系自動車の販路拡大・販売事業に従事しました。三菱商事が出資する海外事業投資先の経営支援に携わるために、ロシア・モスクワにも1年間駐在しました。

ロシアは、経済や人材の勢いがある新興国といえます。欧米で一流の教育を受けてきた若者もおり、彼らは経営幹部候補として成長したいという意欲が高く、非常に優秀です。また、ロシアは欧米式のビジネススタイルを取り入れています。たとえば終身雇用を前提としない役職・能力ベースの人材配置や、個人の業績と紐付けられた報酬設計、短期契約を前提としたプロフェッショナルベースの経営者人材などがみられます。

欧米式と日本式、どちらのスタイルが良い悪いというつもりはありません。欧米式は大きな戦略の舵取りや短期での成長に対しての“爆発力”が強い一方、日本式には経営やオペレーションの地道な改善、また中長期的な経営の安定感に強みがあると感じています。

こうした経験から、日本式と欧米式、それぞれのビジネス上の強みをかけ合わせることが重要ではないかとの発想が生まれました。また、今後の日系企業や日本経済にとって、実用的でグローバルなビジネスと経営の舵取りができる人材の必要性を感じました。そして自身が日系企業と海外ビジネスの架け橋となれる経営者を目指したいと思うようになり、その一歩として米国のMBA取得を目指すことに決めました。幸い三菱商事にはMBAへの社費派遣制度があり、社内選考を合格した数名が毎年欧米のビジネススクールに派遣されています。私もこの制度を利用しました。

苦労した「スピーキング力」の磨きかた

ウォートンに合格するには、ディスカッション中心の授業についていくための高い英語力や論理的思考力が問われます。具体的には、一次選考でTOEFLやGMATといった、それぞれ英語力と論理的思考力を測る試験結果の提出が求められました。とくに英語圏の在住や留学経験のない、いわゆる“純ドメ”の私は、TOEFLのスコア取得に苦労しました。TOEFLはリーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4つのセクションにわかれており、それぞれが30点で合計120点満点の構成です。米国のトップスクールの足切りラインは105~110点ですが、日本人はスピーキングに苦労する受験生が多いのが実情です。

例にもれず私もスピーキングに苦労しましたが、これは日本の学校での英語教育がリーディングやリスニングといったインプット中心で、アウトプットであるスピーキング時間が少ないことが原因だと感じます。同じアジアの韓国や中国などの学生と比べても、日本人はスピーキング力が弱い傾向にあると思います。私はこの点を少しでも克服するために、TOEFL受験中はスカイプを使用したフィリピン人講師との英会話を毎日30分続けました。また、常にテープレコーダーを持ち歩いて、電車での移動時間に英語を吹き込み、その内容を聞き返すことで発音やリズムの改善点をチェックするようにしていました。はたから見ると、1人でぶつぶつ呟いている怪しい人に思われていたかもしれません。しかしこの隙間時間の利用は、いままでの会話の絶対量の不足をカバーするために非常に有効でした。

一次選考では、TOEFLやGMATのスコア提出に加えて、小論文(エッセイ)の提出が求められます。エッセイの内容は大学ごとに違いますが、基本的には「なぜMBAを取得したいか」「いままでのキャリアにおける失敗談や、リーダーシップの経験」などを具体的に記すものです。周囲の人を巻き込む力や、失敗から学ぶ資質を見ることで、将来的には多くの利害関係者を巻き込んで社会に影響を与えられるリーダーになれるか、という点を確認しています。

TOEFLやGMATのスコアは受験者の足切りとして使われますので、それさえクリアしていれば、“エッセイでの差別化”が一次選考突破のための鍵になります。学校側は毎年何千ものエッセイに目を通しますので、いかにユニークで深掘りされた内容を書けるかが重要です。私の場合は、ロシアで苦労しながらも小さな実績を積み重ね、現地社員の信頼を勝ち取りながらビジネスを引っ張っていった経験をエッセイに落とし込みました。そうしてリアルな新興国での現場経験を書くことで、米国の一流コンサルティングファームや投資銀行出身の受験者たちと差別化したんです。実際にウォートンに入ってから気づいたのですが、教授からだけではなく、ほかの同級生とお互いのビジネス経験をシェアしながら学ぶ機会が多くあります。ですから学校側も合格者に多様性を求めており、そのため私が新興国での経験をアピールしたのは有効な戦略だったと感じています。

一次選考を突破すると、二次選考である面接へと移ります。大半の学校は面接官や卒業生との1対1のインタビューを通して、リーダーシップや論理的思考力や語学力、校風との相性などを確認します。ウォートンは同級生同士が協調して学ぶことを重視しているため、6人一組でのグループディスカッションをおこなっています。そこでは、初対面のメンバーとの英語での議論にいかに貢献することができるかが評価されます。慣れない形式でしたので、私は事前に何度も模擬面接をしてから臨みました。このプロセスを通じて、議論を先頭に立って引っ張るだけでなく、少数派の意見を拾い上げたり、異なる意見を合わせて新しい考えを提案したりするなど、グループディスカッションにおいてさまざまなリーダーシップの形があることを学びました。

MBAは最大のキャリアチェンジ

次に、入学後についてお話しします。1回目の授業は、2015年8月からはじまりました。最初の1ヵ月間はPre-Termと呼ばれ、大学のオリエンテーションや同級生との交流の時間、リーダーシップやチームワークに関する基礎的なプログラムが用意されていました。このPre-Termは約10年前まで「数学キャンプ」と呼ばれ、演算能力や統計基礎をカバーするための期間だったようですが、最近ではチームワークの教育に力を入れています。これは、多様性あるチームのマネジメントが大事だ、という認識が学校側にあるからです。リーマンショックの際に多くのウォートン卒業生が業界のトップとして関わっていたことへの反省もあります。そのため、「将来の経営者たるもの、短期的な利益追求に走らず、多様な価値観を大事にしなければならない」といった考えが背景にあるようです。

同級生の構成は、約65%が米国人で、残りの約35%が留学生です。とはいえ、留学生は学部時代に英語圏で学んだ経験がある人や、仕事で米国に長く住んでいたことのある人がほとんどなので、彼らの英語力はほぼネイティブに近いレベルです。そのため入学当初、私は英語での議論やグループワークについていくのに非常に苦労しました。しかし同級生たちは、能力的に劣っていても挑戦する私に協力的かつ寛容でした。彼らから率直なアドバイスをもらえたことは、大変ありがたい経験となりました。そうしたなかでどのように貢献できるかを考えたすえ、ケーススタディでは要点の事前整理や詳細の分析で貢献するようになり、チーム内での存在感を徐々に増していきました。

全体の学生に占める日本人の比率は約1%です。いまの世界経済における日本のプレゼンスを反映しているようで少々さみしく感じます。多いのは中国人とインド人で、かつての日本人同様それぞれ6~7%です。ただ入学審査官いわく、日本からの受験生の合格率は他国に比べて特段低いわけではなく、そもそも受験者の母数が少ないからとのことなので、今後留学を志す人がまた増えることを一在校生として強く望んでいます。

ウォートン卒業後のキャリアは?

学生のMBA入学前のバックグラウンドは、金融、コンサルティング会社、事業会社の主に3つに分割できるでしょう。卒業後の進路には、金融、コンサルティング会社、IT企業が多いですが、最近は在学中もしくは卒業後に起業する人も増えてきています。日本人の場合は、企業からの社費派遣生も一定の割合でいます。その場合は元いた会社に戻ることが前提ですが、米国人やほかの留学生のなかには、MBAへの進学を“キャリアチェンジの機会”と捉えている人も多くいます。

米国では転職する場合、一般的に3つの切り口、country(働く国)、function(仕事上の役割)、industry(業界)のうち、「いくつ変えるか」で判断するのが重要と言われています。たとえば通常の転職であれば、3つのうち1つを変えるのが限界とされますが、MBAを取ることは2つを同時に変えるチャンスと言われます。場合によっては3つとも変えようとする人もいます。最近では同級生と夜遅くまで宿題の内容を議論した後に、こうした将来のキャリアについて朝まで語り合うことも増え、非常に良い刺激を受けています。

実は最近、米国でも「MBA式の考えかたは古くなってきている。とくにテクノロジー系のスタートアップやイノベーションの潮流のなかでは、MBAは役に立たなくなりつつある」との声もあるようです。しかしビジネススクールも、テクノロジーを活用したビジネスの構築やビッグデータ、フィンテックのようなビジネストレンドに即したテーマの授業を増やしてきています。学校側が時代の変化を捉え、学生や企業からの人材育成のニーズに応えるために変革しつつある──こちらで学んでいると、そんな雰囲気を感じることができます。

私は、卒業後はこうした時代の潮流を捉え、日本経済や日本企業がグローバルに存在感を発揮できるように、イノベーションを引っ張ることのできる経営者を目指しています。そうした意味でも、各国のビジネスリーダーになるであろう同級生とのネットワーキングはもちろんのこと、いまのうちにしっかりと彼らから考えかたや価値観、スキルを吸収して、自分自身、グローバル経営者予備軍としての実力をつけていきたいと思っています。

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