1年目の授業(Core)

繁忙期

MBAの1年目は忙しいといわれていますが、いったいどれくらい忙しいのでしょうか。正直言って、人によって感じ方が違うと思います。例えば、企業派遣or私費、独身or既婚によって変わってくると思われます。以下に、第4Quarterまでの大きなイベント(忙しい時期)について簡単に述べておきます。

第1 Quarter
Marketing Caseは初めての大きなグループプロジェクトであり、学生の気合いも入っているため非常に時間をとられます。期限前日の夜中あるいは徹夜になるチームもあります。一方、ラーニングチームと長い時間一緒に過ごすので仲良く(?)なるチャンスでもあります。MGEC、ACCT、STATの基礎科目の課題も多くあり、就活が本格的に始まっていないため、学問とソーシャル共に没頭する学生が多い印象です。
第2 Quarter
MGMT611/612コースペーパーおよびプレゼンテーション、FNCE, ACCT, OIDDのケースなどほとんど全ての科目に宿題があり、週末も机に向かう日々が続くことでしょうQ2で最も忙しい時期です。でもこれを乗り切れば、サンクスギビングの休暇が待っています(ただし休めるのは1日)。なお、11月初旬のボストンキャリアフォーラムに前後してレジュメ・インタビュー準備や企業によるディナーが多く,Q1からQ2にかけて私費学生は就職活動に充当する時間も念頭に置いておく必要があります。
第3 Quarter
重い選択科目を選択していなければ, アカデミック面では基本的にそれほど忙しい時期はないと思います。2学期目ということもあり慣れてくること、また私費学生の就職活動のため、もともとカリキュラムが楽にできていることが大きな理由です。Q3のワークロードが減る時期を狙って選択科目を取る事も一手です。
第4 Quarter
アカデミック面ではQ3から大きな変化はありません。ただ、例えばMKTG613などのシミュレーション科目を履修する際には、週末にシミュレーションを受け、グループワークをこなすなど、忙しくなる人もいます。ソーシャル面では、Q2/Q3で就活を完結させる学生が多いので、パーティーやSmall group dinnerなどの頻度が増す印象です。また、クラブ活動などにおいては翌年に向け役員の交代などが行われ、こちらも多少活発化する印象です。

必修科目

例えば、Class of 2019のCoreコースは以下の通りです。ちなみに、1Semester科目は週2回、12週間で1単位、1Quarter科目は週2回、6週間で原則0.5単位です。必修科目はFixed coreとFlex coreに分けられます。

Fixed Core

Fixed Coreは秋学期にコホートとともに履修します。Pre-term前のWaiver testを受け、合格しない限り、全員が受ける授業です。ウォートンのElectiveにおいて、また卒業後のビジネスにおいて、必要と思われる基礎知識を得るための科目です。

Microeconomics for Managers (MGEC611/612):
大学レベルのミクロ経済学です。と言っても、不完全競争市場、ゲーム理論、オークション、期待効用、情報の非対称性・外部効果等が中心です。MGEC611, MGEC612共に6週間ずつの0.5単位のコースで、MGEC611がQ1、MGEC612がQ2です。学年ほぼ全員が受けるコースで、クラスメイトとの親睦を深めるいい機会です。

Marketing Management (MKTG611):
マーケティングの入門コースです。特にQuantitativeなコンセプトはなく、主に基礎的なマーケティングの概念を学びます。0.5単位のコースで、Q1に履修します。中には、Jonah Bergerなど名門教授が教える場合もあります。

Regression Analysis for Managers (STAT613):
統計学入門です。Regression analysis(回帰分析)を中心とした様々な統計学モデルを学びます。また、Whartonで使われる統計学ツールのJMPの使い方も学びます。JMPはElectiveでも使われることがあるので、いい練習になります。1単位のコースです。なお、Waiver testである程度の成績を残すと、代わりに0.5単位のAccelerated Regression Analysis (STAT621)が履修可能となります。

Flex core

Flex coreは必要科目ではありますが、1年の秋学期に受けないといけないわけではなく、在学中いつ履修してもOKな科目です。したがって、コホートと受ける授業ではありません。しかし、可能な限り1年生のうちに片づける学生が多いです。

Financial Accounting(ACCT611):
いわゆる財務会計の基礎です。Waiver testである程度の成績を残すと、代わりに0.5単位のコースが履修可能となります。1単位のコースは基礎から入りますが中盤以降になると内容的にもボリュームがあり進捗がやや速くなります。0.5単位のコースは経験者でもスピードが早く、ワークロードも多いため、Q1の負担は大きくなります。いずれにせよ、この財務会計のコースは、アカウンティングはもちろんのこと、ファイナンスのあらゆるコースの基礎となっていますので、後々困ることのないようにしっかり勉 強する必要があります。

Corporate Finance(FNCE611):
現在価値からオプションまでコーポレートファイナンスの基礎を学びます。Waiver testである程度の成績を残すと、代わりに0.5単位のコースが履修可能となります。

Macroeconomics(FNCE613):
大学レベルのマクロ経済学そのものです。12週間で1単位のコースです。Flex coreのため春学期に受ける学生が多い様子です。ちなみに、Finance major志望の場合はFNCE611とFNCE613ともに1単位必要ですが、Finance majorでない場合、片方は0.5単位で十分とされてます。

Managing the Established Enterprise / Managing the Emerging Enterprise(MGMT611 / MGMT613):
企業におけるHuman capital management(人事管理)、Corporate Strategy (企業戦略)、Global Strategy(国際戦略)のための基礎概念を、ケーススタディを通して学びます。Discussion主体のため日本人が苦労する科目の一つです。MGMT612はMGMT611に比べ多少ベンチャーや中小企業に焦点を当てたケーススタディーが多くなっており、卒業後の自分の進路に応じてMGMT611/MGMT612どちらかを選べる形となっておりますが、学ぶ概念はとても似ている印象です。1単位のコースです。

Dynamic Marketing Strategy / Strategic Marketing Simulations (MKTG612/MKTG613):
共に0.5単位、どちらかを履修すればOKです。後者はシミュレーションとなっており、冬休み中、あるいは春学期に、4日かけてシミュレーションを行うというコースです。ともに評判よく、どちらを履修しても満足度は高いです。MKTG612のほうが多少Quantitativeな印象です。

Responsibility in Global Management (LGST611):
ビジネスにおける倫理を学びます。0.5単位のコースではありますが、様々なトピックについてケーススタディーを通じDiscussionする授業であり、刺激的な会話が繰り広げられます。様々な意見が飛び交うので、日本人としての観点を貢献するいい機会だと思います。

Operations, Information, and Decisions:
以下5コースのうち2コースが必須となります。すべて0.5単位です。サプライチェーンやデータ分析など、より実務的なスキルを身に着ける機会です。多少Quantitativeではありますが、基礎的なモデルしか学ばないため、数学的にはさほど難しくありません。
OIDD 611: Quality and Productivity
OIDD 612: Business Analytics
OIDD 613: Information Technology and Business Transformation
OIDD 614: Innovation
OIDD 615: Operations Strategy

Communications (WHCP611-615, WHCP620):
スピーチの授業です。各セクションに7-8名しか生徒がいなく、こじんまりとした環境で、人前で話す練習をします。カメラの前で記者会見・質疑応答をしたり、他人を説得するための演説をしたりなど、実務的なソフトスキルを学びます。秋学期に0.25単位、春学期に0.25単位のコースです。春学期においては様々なトピック(Crisis management, storytelling, entrepreneurship)から選べます。なお、英語が第一言語ではない留学生用には特別なセクションが設けられてます。