1年目の授業(Core)

繁忙期

MBAの1年目は忙しいといわれていますが、いったいどれくらい忙しいのでしょうか。正直言って、人によって感じ方が違うと思います。例えば、企業派遣or 私費、独身or既婚によって変わってくると思われます。以下に、第4Quarterまでの大きなイベント(忙しい時期)について簡単に述べておきます。

第1 Quarter Week 4~6 (9月4~10月2週)
Marketing Caseは初めての大きなグループプロジェクトであり、学生の気合いも入っているため非常に時間をとられます。期限前日の夜中あるいは徹夜になるチームもあります。一方、ラーニングチームと長い時間一緒に過ごすので仲良く(?)なるチャンスでもあります。この他にMGEC, ACCTの中間試験もあるので、Q1で最も忙しい時期です。
第2 Quarter Week 3~5 (11月2~4週)
MGMT 621、654のコースペーパーおよびプレゼンテーション、FNCE, ACCT, OPIMのケースなどほとんど全ての科目に宿題があり、週末も机に向かう日々が続くことでしょうQ2で最も忙しい時期です。でもこれを乗り切れば、サンクスギビングの休暇が待っています(ただし休めるのは1日)。なお、11月初旬のボストンキャリアフォーラムに前後してレジュメ・インタビュー準備や企業によるディナーが多く,Q1からQ2にかけて私費学生は就職活動に充当する時間も念頭に置いておく必要があります。
第3 Quarter
重い選択科目を選択していなければ, アカデミック面では基本的にそれほど忙しい時期はないと思います。2学期目ということもあり慣れてくること、また私費学生の就職活動のため、もともとカリキュラムが楽にできていることが大きな理由です(Q4が結構忙しくなりますが、Q3のワークロードが減る時期を狙って選択科目を取る事も一手です。2006年ではファイナンス 選択科目の中では多くの人がとるFCE726(Advanced Corporate Finance)を受講する人が多かったです。
第4 Quarter
Q3と比べてかなり忙しくなります。MKTG622のSABRE(シミュレーションゲーム)のミーティングが毎週末あり、また2003年からからFoundation of Leadership(MGMT652)の後半部がQ4に移ったため、Q3で楽をすることを覚えてしまうと、余計にきつく感じられます。

必修科目

例えば、Class of 2009のCoreコースは以下の通りです。ちなみに、1Semester科目は週2回、12週間で1単位、1Quarter科目は週2回、6週間で原則0.5単位です。

Financial Accounting(ACCT620/621):
い わゆる財務会計の基礎です。経験者向けの6週間で0.5単位のコース(621)と初心者向けの12週間で1単位のコース(620)が用意されています。ど ちらのコースにするか迷う人が多いと思いますが、以前とりあえず財務会計を一通り勉強したことがあり、会計に余り時間をかけたくない人には、前者のコース を、財務会計を基礎からしっかり学びたい(または学び直したい)人には後者のコースをお薦めします。620は基礎から入りますが中盤以降になると内容的に もボリュームがあり進捗がやや速くなります。621は経験者でもスピードが早く、ワークロードも多いため、Q1の負担は大きくなります。いずれにせよ、こ の財務会計のコースは、アカウンティングはもちろんのこと、ファイナンスのあらゆるコースの基礎となっていますので、後々困ることのないようにしっかり勉 強する必要があります。
Fundamentals of Managerial Accounting(ACCT622):
管理会計、特にコスト会計の基礎を学びます。ABC(Activity Based Costing)やEVAについても学びます。6週間で0.5単位のコースです
Corporate Finance(FNCE601):
現在価値からオプションまでコーポレートファイナンスの基礎を学びます。12週間で1単位のコースで、秋学期、もしくは春学期のいずれかに履修することがで きます。秋学期に教えるF.Allen教授は看板教授の一人で、FNCEに関する分かりやすく基礎を教えてくれると評判でした。ちなみに、F.Allen 教授は日本贔屓でも知られています。
Macroeconomics and Financial Markets(FNCE602):
大 学レベルのマクロ経済学そのものです。12週間で1単位のコースです。この科目は必修科目の中で唯一オークションが実施され、春学期には、かの有名な Siegel 教授の授業もあります。Siegel教授の授業はブルームバーグをベースにして、最新のトピックを分かりやすく扱うため、非常に評判が高い反面、オーク ションで高額のポイントを要するため、他の選択科目科目の選択で若干不利になる点には注意して下さい。授業では毎回冒頭にマーケットに関する分析があるた め,このクラスを受講していない学生でも,この分析だけを聞くために授業に出席するという人も多数います
Managerial Economics(MGEC621):
大学レベルのミクロ経済学です。と言っても、不完全競争市場、ゲーム理論、オークション、期待効用、情報の非対称性・外部効果等が中心です。6週間で0.5単位のコースです。
Management of People at Work(MGMT621):
企 業における人事管理のための基礎概念を、ケーススタディを通して学びます。Discussion主体のため日本人が苦労する科目の一つです。この授業では 毎回、1つのラーニングチームがケースを踏まえたskit(劇)を演じるという課題があります。6週間で0.5単位のコースです。
Competitive Strategy(MGMT654):
同業界の企業間の競争において、成功した企業がどのようにして、他と差別化を図ったかについて、市場や企業戦略を整理する基本的な枠組みを使って分析する手法を学びます。6週間で0.5単位のコースです。
Foundations of Leadership and Teamwork(MGMT652):
チー ムワークとリーダーシップとは何かを様々な角度から学びます。チームでの全員参加型のシミュレーションを通してウォートン流のチームワークとリーダーシッ プを学ぶことができます。本学期の始まり、8月末から9月頭の1週間での集中コースです。授業においては当該分野の学術研究のエッセンスをふんだんに取り 入れたシミュレーションを活用し、実際のビジネスに基づいたリアルなケースを行うことになっています。
Global Strategy(MGMT655):
基 本的にはCompetitive Strategy(MGMT654)の延長線上に位置する講座で、企業のglobalization戦略を、ケースディスカッションを通して学習します。 毎回ケーススタディを行いますが、MGMT654と比べると枠組みをそのままあてはめることが難しい複雑なケースが多く、一筋縄ではいかない科目です。ま た、教授によって講義内容が大きく異なる側面もあったようです。6週間で0.5単位のコースです。
Marketing Management: Program Design(MKTG621):
い わゆるマーケティング入門です。マーケティングの基礎理論をケーススタディを通して学びます。6週間で0.5単位のコースです。チームプロジェクトにおい て最も苦労するのがこのクラスとの意見が多く聞かれます。2009年は2回のケースライティングがありましたが、チームミーティングに10数時間を費やし たチームもあったようです。
Marketing Management II(MKTG622):
マーケティング 入門の続編です。マーケティング分析手法(コンジョイント分析等)の解説、使い方も学習しますが、このコースの目玉は、コースを通じて行うSABREを 使ったシミュレーションゲームです。これは、マーケティング戦略を立てて商品を売り、いかに利益をあげるかというゲームですが、チーム単位で取り組み、対 戦相手(競合相手)はコホート内の他のチーム(6チームが一つの市場を形成し、お互いに競合し合う)です。利益の多寡がそのまま成績を左右するので、チー ムによってはかなり真剣に取り組むことになり、1ラウンドの戦略を決めるのに丸一日かけたという話も良く聞かれます。4Qの講座の中で、最も深の高い科目 の一つですが、それなりに楽しめる講座です。6週間で0.5単位のコースです。
Management Science(OPIM621):Decision Models and Uncertainty
線 形計画法とシミュレーションの講義です。前半はMicrosoft Excelのソルバー機能を頻繁に使い、後半はCrystal Ballというモンテカルロシミュレーションのソフトウェアを使います(ちなみにファイナンスの科目の中にはモンテカルロシミュレーションは良く出てきま す)。6週間で0.5単位のコースです。
Operations Management: Quality and Productivity(OPIM631):
ケー ススタディを通してJust in Time等の代表的な生産管理の手法を学びます。定量的な分析が多いのに加え、東芝、トヨタを初め日本企業が多く登場するため、日本人として、比較的クラ スパーティシペーションのしやすいコースです。6週間で0.5単位のコースです。数学が得意な人には楽なコースでしょう。
Operations Management: Supply Chain Management(OPIM632):
OPIM631 の続編と位置づけられるコースです。需要が不確実な際に供給をどうするのが最適かというのがコースの基本的な命題です。OPIM631に比べると難易度が 数段高く、class of 2007では落とした学生も多かったようです。6週間で0.5単位のコースです。
The Government & Legal Environment of Business(BPUB/LGST621):
ビジネスに関連した法律を前半に学び、後半は別の教授から企業と社会との関わりをケーススタディを中心に学ぶ講座で、6週間で0.5単位のコースです。メディアやNPOなどと企業がどうかかわるかをケース中心に学びます。
Ethics and Responsibility(LGST652):
企 業倫理に関するコースで、若干変則的な6週間0.25単位のコースです(講義は週1回のみ)。ケースディスカッションが中心です。過去にはEnron事件 を暴露した経理担当者が招聘されるなど、なかなか面白い講座です。この講座で落第点を取ると、めでたく学校から「Unethical」のレッテルを貼られ るわけですが、実際には、期末の課題レポートをきちんと提出しさえすれば、そのようなことはない模様です。
Management Communication(WHCP653):
こ れもまた6週間0.25単位のコースです(講義は週1回のみ)が、他の講座と違うのは1年中開講されており、空席さえあれば、1Q~4Qのどこででも受講 することができることです。早めに取ることをお勧めしますが、ワークロードが軽くなるQ3でとるのも一手です。講座内容は、ウォートン生のコミュニケー ション能力向上を狙って、専門インストラクターを含む少人数のグループに分かれてのプレゼンテーション演習(質疑応答を含む。)です。得ることも多く、学 生間で非常に好評でした。またこのクラスはNativeとNon-Nativeの選択肢があり,語学力に応じて選択すると良いでしょう。
Statistical Analysis for Management(STAT621):
いわゆる初等統計学で、回帰分析と分散分析を中心に学びます。ただし、日本の大学の講義とは異なり、重点は理論よりむしろ統計学をいかに利用して実世界を分 析するかという点に置かれています。統計学に馴染みのない人は、苦労するかもしれません。しかし、統計はファイナンス等、多くの科目の基礎概念になるの で、真剣に勉強したほうがよいでしょう。6週間で0.5単位のコースです。