必修(Core)と選択(Electives)

必修科目と選択科目

ウォートンのカリキュラムの基本的な考え方は、1年目に必修科目を通してビジネスの基本を網羅的に学び、2年目には豊富な選択科目の中から自由にコースを組み立てていくことで、各自の選択したメジャーの分野に関してより深い知識・理解を獲得する、というものです。選択科目の組み立て方に関する情報は、学校側から送られてくる「MBA Resource Guide」で入手可能です。また、2年生に直接相談するのもいいでしょう。

Waiver制度について

ウォートンの基本カリキュラムでは、2年間の約半分が必修科目の履修に費やされます。そこで、必修科目ばかりでは耐えられないという人のために、「履修免除登録(Waiver)制度」が設けられています。これは、書類審査または筆記試験で一定の基準をクリアーすることで、その科目(必修)の履修が免除されるという制度です。ウェーブしても卒業に必要な総単位数(19.0cu)自体は変わりませんが、必修科目が減る分、選択科目をより多くとれるというメリットがあります。以前に大学などで既に勉強したことがあり、特にもう一度勉強したいと思わないような科目があれば、是非ウェーブすることをお薦めします(ただし、必修科目はどれもビジネスの基礎をなす内容だから、あるいは自分が得意な分野でラーニングチームに貢献しておきたいから等の理由から、あまりウェーブし過ぎない方がよいという意見もあります)。なお、定員に空きがあれば、一旦ウェーブした科目を取り直すことも可能です。ただし、もちろん自分が一つもウェーブしないからといって、心配する必要はありません。実際、全体で約35~40%の学生は一つもウェーブしないとのことです。

ウェーブする際の注意事項

1年生の場合、せっかくウェーブやアクセレレート(accelerate:完全に科目が免除になるわけではないが、半期の科目を四半期に縮めるなどした速修コース)したのに、空いた枠にうまく選択科目のクラスを入れられない、というケースがよく見受けられます。これは、基本的に四半期単位となっている必修科目と異なり、選択科目(特にファイナンスやアカウンティング)は半期単位の科目が多いため、時間割、及び四半期毎のワークロードを調節するのが困難だからです。例えばアカウンティングでアクセレレートした結果、Q1からQ3で取るべきアカウンティングの科目が全てQ1,2の間に終了し、Q3に一コマ空きが出来たとします。この空きコマを選択科目で埋めようとしても、Q4の同じ時間帯が空いていない(Q4では同じ時間帯に別の必修科目が設定される)ため、希望する半期単位の選択科目が取れないといった事態が生じえます。こうなると、ウェーブやアクセレレートした意味(本来は既修の必修科目を受けないことで、より魅力的な選択科目を多く受講する)が薄れてしまいます。安易なウェーブは、その結果として穴埋めのためにあまり興味もない科目を取るという結果にも繋がりかねませんので、くれぐれもスケジュールを確認してからウェーブ/アクセレレートして下さい。ポイントとしては、

(イ) ウェーブ及びアクセレレートする際は、Q1とQ2もしくはQ3とQ4共に同じ時間の授業のスロットが空くようにする。(サマーインターンシップに向けた就職活動期間と位置付けられるQ3は授業数が少ないので、Q4の科目をウェーブするのが得策です。)
(ロ) ファイナンスとアカウンティングのダブルアクセレレートは上記の問題がありますので、十分に検討して下さい。興味深い選択科目が取れないのであれば、ファイナンスとアカウンティングは通常のコースを取ってもっとじっくり勉強すれば良かった、という声も多数聞かれます。
(ハ) アカウンティングのアクセレレートでは暇なQ3がさらに暇になりますから、アメリカで就職をお考えの方やQ3を休息に充てたい方以外は、慎重に判断して下さい。

Class of 2008 ウェーブ体験談

私は、一年時に必修科目の約半分をウェーブしました。勉強量、クラスメートとの接点など、正直どうなるか不安だったのですが、意外と満足のいく結果に終わったので、ひとつの選択肢としてご紹介したいと思います。

ウェーブのメリット/デメリットについては既に多くの人が書いているので、多くのコースをウェーブした場合にどうなるか、という点に限って述べたいと思います。多くのコースをウェーブする長所で強く感じたのは、1) 取れる授業に幅がでる、2) 一年目のワークロードを分散できる、の二点です。

1) は言わずもがなだと思うのですが、ウォートンの選択科目は非常に幅が広く、興味関心のある分野を非常に深いレベルまで学ぶことができます。必修科目で基礎を再習得するのも意義があると思うのですが、大学、業務である程度の知識を持っているのであれば、ウォートンでしか学べない事に挑戦する事も非常に意義のあることではないかと思います。取れる選択科目は必修科目の時間割に制約されるのですが、必修科目と授業時間の重複がある場合必修科目を他のスロットに変更してくれるケースもありますので、ある程度ウェーブすれば、かなりの選択肢が手に入ります。

2) は当初想定していなかった点なのですが、選択科目を取ることで忙しい時期が分散されます。必修科目カリキュラムは各授業の中間、期末が同じタイミングであるので、ある時期に試験、宿題が非常に集中します。一方で選択科目は、期末にレポートを出せばいい授業、通期でプロジェクトを行う授業など、コースによって忙しくなる時期がばらばらで、しかも試験のタイミングが必修科目と一週間ほどずれています。結果、全体としての勉強量は変わらないのですが、一日に2つも3つも試験があるという状況を避けられるので、余裕をもって色々な活動ができます。特にQ1,Q2は就職活動の時期となるので、この時期にスケジュールに余裕があることは非常にプラスとなりました。一方で、多くのコースをウェーブするデメリットは1) クラスメート、特にラーニングチームとの接点が減る、2) 必ずしも希望する選択科目はとれない、の2点です。選択科目をとると、ラーニングチームとの接点は確実に減ります。僕の場合、ラーニングチームとのグループワークはマーケティングとストラテジー, リーダーシップのみでした。まぁ、アカウンティング, ファイナンスの場合、ラーニングチームといっても単純に作業を分担するだけで終わるチームも多かったようなので、チームとの関わりとしてはちょうどいい量だったのではないかと思っています。また、選択科目のコースでは各授業でチームを作るので、同じくウェーブをしている他のクラスの1年生、あるいは2年生と知り合い、チーム活動をすることができたので、一方での接点が減った分、増えた接点も多かった気がします。

2) は選択科目の選択肢の話で、選択科目のオークションはシステム的に2年生が優先されており (一年生は価格が高騰した後半のラウンドでしかビッドできない)、しかも2年生は大量にオークションポイントを持っているので、一年生が人気授業をとることは難しいです。従って、一年生の間にとる選択科目は、人気講師の裏にいる教授の授業、マイナーな分野で自分が関心を持つもの、などが主になります。それでも総じて質は高いものが多いです。以上長くなりましたが、何をやりたいかある程度明確であれば、個人的にはウェーブをする事をお勧めします。ウェーブの申請、試験がプレターム(Pre-Term:後述)中で、迷うことも多いと思うのですが、選択肢が気に入らなければ必修科目を履修することにすればよいだけですし、ウェーブの試験準備は、中間試験や期末試験の準備に比べればはるかに楽なので、夏休みの週末、ちょっとがんばってみてください。